フォト・エッセイ その7  
   
ランチワゴン Lunch Wagon.  

  サーファーの集まるノースショアのビーチ沿いで、ランチワゴンが営業している写真はガイドブックのイメージ写真としてよく使われている。またカフクシュリンプの白いランチワゴンは、ノースショアを訪れた観光客にも馴染みがあるかもしれない。

  ランチワゴンの多くはダウンタウンの公園の近くか飲食店が少ないような所で営業おり、地元の常連の厚い支持を受けている。観光客には余り馴染みが無いかもしれないが、昼時ともなるとランチワゴンの前に行列が出来ている。

 日本で言えばキャンピングカー位の大きさで、歩道側の右の側面が開き、軒が張り出している。この軒下で料理を注文して受け取る。車の中のキッチンで調理しているが、直ぐに料理が出来上がる。早い、安い、うまいは世界共通のようだ。プレートランチは基本構成はごはん2スクープ(スクープはアイスクリームを掬った半球と同じ形)、マカロニサラダ、それにメインとなるおかずが付いて5ドル前後が相場だ。メインのおかずはそれぞれのランチワゴンによって異なるが、ビーフシチュー、ハンバーガーステーキ、テリヤキビーフ、マヒマヒのフライ、ショウユチキン、カルビなどが一般的のようだ。飲み物も売っている。

 プレートランチを持ち帰る人もいるし、早速近くのベンチで食べ始める人もいる。近くに食べる場所があることもランチワゴン成功の秘訣のようだ。車で買いに来て、どこか眺めのいい所に行って食べる人もいる。ビーチにプレートランチを持って来て、食べ終わるとさっさと車に乗って立ち去って行く人を目にすることがある。

 日本ではハンバーグと言っているが、アメリカではハンバーガーステーキと言う。このハンバーガーステーキにはグレービーソースがどっぷりと掛かっているが、これが実においしくない。醤油だけ掛けた方が日本人には向いている。

 最近読んだハワイの新聞記事で「ローカルフード」の特集が掲載されていた。余りお腹が空いていない時、あるいは懐具合が寂しい時には2スクープのライスとグレービーソースだけで済ませることがあった、と書かれていた。日本で言えばうなぎの蒲焼のタレでご飯を食べたと言ったところかもしれない。落語の世界では蒲焼の匂いだけでご飯を食べているが。

 

   
 

 

Lunch Wagon

Tuna & Shrimp

Tuna & Chesse Burger

at North Shore

with Organic Vegetables

with Tomato

 

 

 

Mix Plate

Sake Bento

 

of Rainbow Drive inn

of Shirokiya Dept. Store

 

テリヤキビーフ、マヒマヒのフライ、

鮭、カニコロッケ、とんかつ、漬物

 

チキンカツ、マカロニ、ライス、キャベツ

薩摩揚げ、玉子焼き、蒲鉾、ブロッコリ

 

タルタルソース付

キンピラゴボウ、ナポリタン、梅干、昆布巻

 

   

 そう言えばロコモコというハワイのローカルフードにも、どんぶり飯にハンバーグステーキ、目玉焼き、そしてたっぷりのグレービーソースが掛かっている。お金の無い学生に安くボリュームある食事をと考え出された料理らしいが、ドライブインの朝食メニューの定番になっている位ポピュラーな料理だ。これもグレービーソース無しで、醤油を垂らした方が食べ易い。グレービーソースは好みの問題なので一度トライしてみるのもいい。

 あちこちのプレートランチを食べ歩き、プレートランチの評価をしているホームページがある。店やメニュー、料理の特徴などが紹介されており、料理、サービス、店の雰囲気、総合評価の4項目を採点している。評価は5点満点で、星の替わりにスパムの缶詰の数で表している。3ツ星レストランならぬ3ツ「スパム」プレートランチだ。スパムはハワイでは主食に近い存在だが、これについては別の項で述べることにする。

 アラ・モアナSCにある白木屋の弁当コーナーは充実しており、ビーチにはよく持って行く。プレートランチもおいしいけれど、やはり日本式のベントーは作りが細やかである。ハワイでも弁当はBentoと呼ばれている。

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