昨日は劇的なトランプ大統領と北の将軍様の板門店での首脳会談が行われ、将軍様はアメリカとの親密ぶりを国内外に示し、トランプ大統領は大統領選に向けて外交手腕を大いにアピールすることが出来たようだ。一方で蚊帳の外だったのは南朝鮮の大統領で、単なるナビゲーターのようだった。良く言えば黒子に徹したというところだが、米韓首脳会談もすっかり霞んでしまった。G20で訪れた日本では日本政府に相手にもされず、日本からの無言のメッセージをしっかりと受け取っただけとなった。

　銀座は基本的に商業地区と思われているが、これはある意味正解である。ところが昭和通りを築地側に超えた辺りは居住地区としての銀座がある。かつての長屋の名残のような区画には、狭い入り口の住宅兼店舗が軒を連ねていたが、再開発でビルやマンションになってしまったところが多い。

　今日の一枚は突然すっぱ抜かれたような建物の側面である。再開発に反対する地主はビルとビルの間に挟まれて以前の風情を保っているが、隣のビルとの境目が日の目を見るようになると銀座らしからぬトタン張りである。これじゃ雨漏りがしても不思議はない。下町の戦前の名残のようなバラックさながらの壁面であるが、隣にビルが建てられればまた隠されて、それなりの外観は保たれるかもしれない。

　華やかな銀座の社交界で働く美しい女性が、三畳一間の家に戻ったような虚しさがトタンの外壁からは漂っていないだろうか。雨の日に見たら、もっと寂しさ、侘しさがあるに違いない。